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2009.01.26

告知2題+α

まずは、告知を2つ。

ウェブ媒体のasahi.comにて、新しい連載を開始します。
タイトルは、「斎藤・西田のデジタルトレンド・チェック」
見ての通り、1人ではなく、友人であり組んで仕事をすることも多いライターの斎藤幾郎氏と、(基本的に)1週間交代で、デジタル関連のトレンドをご紹介していく連載です。
毎週木曜更新ですので、お楽しみいただければと思います。

「クラウド・コンピューティング ウェブ2.0の先に来るもの」、なかなか好調に売れています。
ありがたいことに、先週火曜には、さらなる増刷(三刷目)が決定しました。
たまたま立ち寄った某書店では、「新書新刊売り上げランキング」で第一位になったらしく、ポップ付きで並んでいました。思わずニヤニヤしてしまったのですが、傍から見るとさぞ気味悪い風景だったことでしょう。
今週も、この勢いを維持してくれれば……と期待しています。

さて、「クラウド・コンピューティング」読者の方からメールを2件いただきましたので、その疑問にお答えしておこうと思います。

一つ目は「なぜ、ウィキペディアなどやSNSについて触れていないのでしょうか」というもの。
たくさんの人々が情報を寄せ、それが集約されてひとつの形になることは、いかにもクラウド的なもののように見えます。非常に大切な要素ですし、大きなトレンドでもあります。我々の生活に、ありとあらゆる影響があるのは間違いありません。

ですが、わたしはクラウドを語る中で、あえて「コミュニケーション」の要素を切りました。
なぜなら、先に挙げた例は、おそらく「クラウドとは関係ない」からです。
分散した知の集合(すなわち「集合知」)とコミュニケーションの簡便化は、ウェブとネットワークの持つ基本的な要素であり、クラウド以前からあったこと。
クラウドがそれを加速する可能性は高いのですが、「だからクラウドが生まれた」ということはできません。
極論すれば、クラウドは「コンピュータとネットワークのアーキテクチャ(構造)」に関する議論であり、知やコミュニケーションのあり方とは、また別の意味を持つと考えられます。さらにいえば、クラウドは「リソースをどう生かすか」の問題といってもいいでしょう。
ネットに関する議論の中では、「コミュニケーション論」「技術論」「法律論」「経済論」などが入り交じって語られることが多くなっています。もちろん、それぞれを独立して語れない場合も多いのですが、クラウドの場合には、「リソースにかかわる議論」に切り分けることで本質がわかるだろう、と考えました。その結果、わかりやすい内容にまとめられたと思うのですが、いかがでしょうか?

二つ目は「本当に企業でGmailを使っても、セキュリティは問題ないのですか?」というものです。
メールには機密文書も含まれる場合が多く、それを「社外のストレージ」に貯めるのは怖い、ということでしょう。
本文中でも述べたように、もっとも重要なことは、信頼できるサービスを利用する、ということなのですが、工夫が必要になる場合もあるでしょう。
例えば、大手SIerで、全従業員1万人のメールシステムとして「Google Apps Premire Edition」を導入した富士ソフトの場合、単純に使うのではなく、いくつかの工夫を行っているようです。
例えば添付ファイルは、Gmailサーバーに置かず、「社内に置いたセキュアなストレージへアクセスするリンク」をメールの中に記載する形になるよう、カスタマイズが行われています。
また、VPNとGoogle Appsを同時に使えるようにするため、シングル・サインオンの仕組みも導入したとのことです。
このように、「必要ならばカスタマイズ」し、リソースの流動化・分散化を行うというのが、企業内でのクラウドのあるべき姿、ということになるでしょう。

……え? なんでこのエピソードが本に入っていないのかって?
残念ながら、執筆後に入ってきた情報だからです。非常に動きの速い分野だけに、執筆終了からの1ヶ月半で、色々変化が起きている、ということです。(オバマ氏も、ブラックベリーを使い続けられるようになったみたいですし)

以上、補完情報でした。

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2009.01.16

重版決定しました

クラウド・コンピューティング ウェブ2.0の先に来るもの、重版が決定しました。
お買い上げ、多謝いたします。
実質的に8日より発売になったのですが、休み明けの13日には重版が決定したとのこと。これまでに私が出した本の中でも、もっとも速いペースで売れています。まだお手にとっていない方は、ぜひご一読をお願いいたします(笑)

さて、CES取材でも感じたのが、この本で書いた傾向は、はっきりと、より急速に現実化する方向にある、ということです。
アメリカの場合、テレビのインターネット接続が急速にすすんでいます。Intel/Yahooが規格化する「TV Widget」を採用するメーカーが激増している状況で、米国市場大手の場合、パナソニック以外はすべて賛同し、対応テレビのデモンストレーションを行っていました。あるメーカー担当者は次のように話します。
「組み込みの貧弱なウェブブラウザで、無理矢理独自のサービスを表示するような形は、もうニーズに合わない。日本でも同じようなサービスを導入できればいいのだけれど」
また、ソニーやサムスンがChumbyに賛同、ChumbyのWidgetをそのまま使える機器の市場投入を検討している、というのも、同じ流れといえるでしょう。
テレビなどの家電で使えるネットサービスを、PCと同じ技術で、同じものが使えるという流れは、まさにクラウドのひとつの形を表したものです。ある意味当然のことではありますが、「ネット上に提供される情報」「ネット上で公開されるサービス」はPCのものではなく、ネットへの接続機能を持った、あらゆる機器で使えるべきものである、という姿が、ようやく実現しつつある、といっていいでしょう。

他方で、アメリカ市場の冷え込みは、かなり深刻なものとなっています。幸いなことに、昨年末のテレビ市場・ブルーレイ市場は堅調であったものの、消費者が遊興費に充てる額が大幅に減りつつあるのは事実。ラスベガスの街は、これまでにないほど人が少なく(といっても、相当な人出であるのは事実なのですが)、普段なら数百ドルもとるような超高級ホテルでも、一泊90ドルで泊まれる、というくらいの不景気ぶり。家電メーカーなども、コスト削減のため、人件費のカットはもちろん、設備投資を大幅に凍結するのでは、大規模投資計画の見直しが続くのでは……との噂が耐えません。
「なら、クラウドなどというまだよくわからないものへの投資はしないのでは?」と思われるかも知れません。
確かに、ある程度減速はするでしょう。しかし、むしろこのような厳しい状況に対応するために、クラウドの導入を考える企業がでそうです。
企業にとってクラウド化するということは、企業のコンピュータ・リソースの一部を、ニーズにあわせて流動化できるということでもあります。言い方を変えれば、かの悪評高き「派遣社員利用による雇用の流動化」に近い特質をもっているわけです。クラウドを採用したからといって、コストはさがりません。ですが、その特質をうまく使うことで、社内リソースの有効活用が可能となるのは事実です。
設備投資がきびしい中で、いかに適切にコストをかけるか。
平凡でシンプルな話ではありますが、現在クラウドが置かれているのは、そういう状況なのです。

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2009.01.04

あけましておめでとうございます

おくればせながら、新年のご挨拶を申し上げます。
本年も筆者の記事を、各媒体にてご愛読いただければ幸いです。

年初はAV Watch・CESレポートからの仕事始めとなる予定です。
その他Web媒体では、少し遅れてASCII.jpに、主にPC関連のレポートを掲載予定です。

なお、1月中に、別途新たにWeb媒体での連載を開始する予定です。
告知できるタイミングになりましたらご報告させていただきます。

まずは、新書「クラウド・コンピューティング ウェブ2.0の先に来るものをよろしくお願いいたします。

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